本記事を御覧になられている方は、既にITエンジニアで海外就職・海外転職に興味はあるが、疑問・心配等があり、なかなか一歩踏み出せないのではないかと思います。
・海外就職方法が分からない…
・どの国がITエンジニアには向いているかが分からない…
・ITエンジニアの海外就職のメリット、デメリットは何だろう…
等々。
まずはそういった疑問、心配を1つずつクリアに出来ればと思います。
目次
海外就職方法
日本にある日系企業に就職後、海外駐在
この方法が一番リスクも少なく事前準備等も出来る為難易度が低いです。
日本で一定期間働く間に、現地駐在への準備が事前に出来ます。
準備とは、色々ありますが、例えば、現地の物価/食生活/住居/通勤方法/日本本社・海外子会社の人との関係性構築/ビザ取得方法などなど沢山あります。
ただし、行きたい国は希望は出せたとしても希望通りになるかどうかは分からず、会社側の辞令により駐在する国が決まります。
希望を強く伝えたり、上層部へのロビー活動などをすると、会社によっては本人の行きたい国とは全然違う国に駐在辞令が出るケースもあります。
【メリット】
①駐在員待遇となる為、給料・待遇(住居、通勤方法、保険など)が良い。
②日本でその会社に慣れてから、また、海外駐在への準備期間が十分ある。
③日本では平社員でも、現地では役職が付くことが多く、マネジメント経験が積める。
④同じ駐在員が多くいる場合は日本⇔現地間の無料配達サービスがある。
(日本の食べ物・物品等を購入して現地に持って来てくれる)
⑤給料を日本円と現地通貨とで振り分けすることが出来る為、為替リスクなどを考えた資産形成がしやすい。
【デメリット】
1)会社辞令によるため、住みたい国を自分で決めることが出来ない。
2)会社辞令によるため、いつのタイミングかは自分で決めることが出来ない。
3)駐在任期があるため、一定期間(一般的には3~5年)経過後は帰任となり現地にいたくてもいられない。
4)現地人からすると、いつか帰任することが分かっているため、駐在員との間に垣根があるケースがある。
5)1度海外駐在をすると、会社側も2度目の海外駐在を命じやすく、自分の希望とはそぐわない国への駐在を命じられるケースも有る。
海外にある日系企業に海外就職(現地採用)
この方法も難易度としては低いですが、上記と比べると、若干リスクが上がります。
理由は、現地採用として、海外転職先から内定をもらって働き始めたとしても、その会社、仕事内容、人間関係などが自分に合っているかどうかは現地で働いてみないと分からないことが多いからです。
海外駐在員の場合は、日本本社で一定期間働いてから海外駐在となるため、日本本社の人とのコネクション、海外子会社とのコネクションなどをその間に築けます。
ただし、自分の希望を叶えることにプライオリティを置く人生を送りたい方には、私は一番オススメします。実際に私はそうしました。
【メリット】
①住みたい国を自分で決める事ができる。
②どのタイミングで海外に行くかも自分で決めることができる。
③自分が会社を辞めない限りは、その国でずっと働くことができる。
④現地人とより密接な関係を築きやすい。
⑤on/off をきっちりしているため、残業はほぼ無く、プライベート時間を多く持てる。
【デメリット】
1)駐在員と比べると、給料・待遇面で大きな差がある。ただし、現在の超円安の恩恵で差は埋まってきていることも事実。
2)仕事が出来ない駐在員を見ると、給料・待遇面での差に納得しにくくなる場合がある。
3)駐在員以上に、より結果を求められるため、結果を出さなければ首・配置転換などの可能性もある。
4)給料を現地通貨100%で受け取るため、資産形成の上でリスクヘッジがしにくくなる。
5)駐在員よりは位としては低くなるため、駐在員に多少の気遣いは必要になる。
私は30代までは日本で働いていましたが、40代から自ら駐在ではなく、海外にある新しい会社で現地採用で働くことに決めました。
今20代、30代の方で、働きたい国も決まっており、出来るだけ早く行きたい、日本のストレス社会から解放されて自分らしくフレキシブルな働き方をしたいとお考えの方には、現地採用でどういった求人があるかをリサーチ開始される事をオススメします。
40代/50代の方でも積極的なコミュニケーションが取れる方、日本である程度実績を残されてきた方であれば、十分可能性はあります。
日本にいながら、海外にある日系企業へ直接就職or転職のサービスを申し込む事は容易にできますので、詳細は別記事にてご紹介しておりますので、ご参考になればと思います。
海外にある外資系・現地系企業に海外就職(現地採用)
この方法が難易度/リスク面では、一番高くなります。
理由は、上記日系の現地採用に比べて、解雇率が高まるからです。
日本では日系企業のような外資系企業も存在しますが、海外にある外資系企業(例えば米国にある中国企業など)は本当に実力主義です。
結果さえ残していれば問題は有りませんが、結果が残せない場合は普通に解雇します。
私もタイにある米国系企業でタイ国内・アセアン海外営業として働いていますが、既に解雇になった人も数人見てきています。
ただし、海外の日系企業よりはるかに良い給料で迎えてくれる企業が多く存在します。
場合によっては日系企業の駐在員の給料より高くなるケースもあります。
【メリット】
①住みたい国を自分で決めることができる。
②どのタイミングで海外に行くかも自分で決めることができる。
③自分が会社を辞めない、もしくは解雇されない限りは、その国でずっと働くことができる。
④現地人とより密接な関係を築きやすい。
⑤給料・待遇が非常に良く、結果を残せば、さらに良くなるし、居心地も良い。
【デメリット】
1)結果を残さなければ、容赦なく解雇されるケースが多い。
2)人によってはメリットでもあるが、他に日本人が全くいない場合もある。
3)その国籍の企業カラーに合わす必要がある為、日本人的な考え方は全く通じない。
4)プロセス・努力等は全く評価されず、結果のみ。
5)毎日・毎週、数字へのプレッシャーを自分自身が非常に感じてしまう。
ITエンジニアに向いている国
ITエンジニアに向いている国は、以下2つの側面(給与面、ワーケーション面)から見て行きましょう。
給与面
世界のITエンジニアの給与を全92か国でランキング形式にしており、日本はNo.18でした。額は42,464 USD(現為替レート1USD≒JPY 128換算では約543万円)。
No.1=スイス(92,500 USD≒1,175万円)
No.2=米国(83,389 USD≒1,067万円)
No.3=イスラエル(79,511 USD≒1,018万円)
以下、デンマーク、ノルウェー、オーストリア、ドイツ、ルクセンブルク、オーストラリア、シンガポールと続く。
注目すべきなのは、上記ランキングもそうですが、世界のITエンジニアの給与伸び率ランキングは、No.1=タイ(38.3%)、No.2=ラトビア(26.4%)、No.3=カタール(25.1%)となっており、タイがNo.1です!タイは政府主導でITエンジニアを世界中から呼ぼうとしており、ワーケーションのメッカとしたいと以前から優遇措置を実施しています。
上記給与ランキングでは、スイス、米国等になりますが、伸び率ランキングではタイ、ラトビア等のようです。
上記ランキングの引用先: 【ヒューマンリソシア調査】 [独自レポート]世界のIT技術者の給与ランキング、 日本は92カ国中18位、伸び率は年5.9%増で20位 ~「92カ国をデータでみるITエンジニアレポートvol.2」発表~ (resocia.jp)
ワーケーション面
かの有名なフォーブス・ジャパンがワーケーションに最適な世界の都市ランキングを以下の通り発表しています。(2021年9月)
No.1:バンコク(タイ)
No.2:ニューデリー(インド)
No.3:リスボン(ポルトガル)
No.4:バルセロナ(スペイン)
No.5タイ:ブエノスアイレス(アルゼンチン)
No.5タイ:ブダペスト(ハンガリー)
No.1にバンコクが輝いたのは驚かれている方もいるかとは思いますが、現在タイ在住の私からすると、納得でした。
勝因は、手ごろな生活費、割安な外食費、英語話者の人口、オフィス環境を時おり利用したい人向けのコワーキングスペースの数とのことです。
私自身も毎日のように実際に、バンコクでも商業ビルが立ち並ぶシーロム・サイアム地区、日本人も多く住む高級住宅地のスクンビット地区などには特にコワーキングスペースを多く見かけますし、観光立国のタイではそこで外国人(特に欧米系など)が1日中仕事をしている光景をよく目にします。
興味深いのが、上位20都市に米国の都市がひとつも入っていないこと、ロサンゼルスがどうにか30位につけ、ラスベガス(36位)、サンフランシスコ(38位)、サンディエゴ(40位)、シカゴ(42位)、ニューヨーク(45位)とのこと。
まとめ
ITエンジニアに向いている国としては、給与面、ワーケーション面、語学面、住みやすさ、日本人在住者数から考えると、今現在、英語など語学面にあまり不安が無い方には、日本人も多く住む米国、ドイツ、オーストラリア、シンガポールなどと思います。
逆に、英語など語学面に不安がある方には、同様に日本人が多く住むタイと思います。
タイのバンコクにあるスクンビット地区などは日本語で普通に生活できる場所も多く存在します。
タイ政府は外国からの優秀なITエンジニアへのビザ優遇措置なども進めており、これからの伸びしろに期待が持てます。
ITエンジニアの海外就職のメリット、デメリット
本項では、ITエンジニアの海外就職/海外転職のメリット、デメリットをご紹介致します。
メリット
① 上記”ITエンジニアに向いている国”でもお分かりの通り、日本より高い報酬で働ける可能性が高い。
② 日本で働くより残業時間が短くなる可能性が高い。(残業ゼロの可能性も十分有り)
③ 世界中からITエンジニアが集まるため、技術力をさらに磨け、グローバルな環境で働ける。
④ 仕事上は、IT用語をキーワードにしてコミュニケーションを取るため、他職種に比べ、語学力の要求レベルが下がる。
⑤ 日本以上に、フリーランスとして独立しやすい環境がある。
デメリット
A) 日本とは異なり、IT業界未経験では若くても採用してもらえる可能性は極めて低い。(成果主義であるため)
B) ITエンジニアに限った事ではないが、言語・食事・治安・医療などが問題になる場合がある。
C) ITエンジニアに限った事ではないが、結果を出せなければ、解雇される可能性も十分ある。
<総括>
私はこれまで海外(米国、ドイツ、フランスなどEU諸国、東南アジア諸国、東アジアなど)でお会いしてきたITエンジニアの方は、日本で働いてた時に比べて皆さんイキイキとされており、生活が充実していると仰ってました。
ITエンジニアという職種は、他職種に比べ、英語の要求レベルは下がります。
かつ、給与面・労働環境面(残業など)も日本より大きく改善される可能性が高いため、自分らしい生活を送り、且つグローバル人材として自分のマーケットバリューも高めたいということであれば、海外就職/海外転職はオススメです。
国としては、個人的なオススメはやはりタイです。(私自身が在住しているからというだけではありません)
理由は、タイ人でも日本語を話す人が多くいること、日本人在住者が世界でもトップクラスに多く(約8万人)、有数の親日国であり日本食・日本製品など日本にまつわるものに不自由しないこと、食事面・治安面・インフラ面等不安な面が少ないこと、いまだに物価は安いこと、人が優しいこと、コワーキングスペースが充実していること、政府が外国からのIT技術者の誘致に力を入れていることなどからです。
現在ITエンジニアの方で海外就職、海外転職へご関心をお持ちの方は、是非チャレンジして頂ければと思います。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
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