【海外就職活動の手順】リサーチ→準備→応募→内定→内定後手続き

海外就職方法

今の円安状況、海外への出稼ぎで給料が数倍になったなどのニュースをテレビで見るたびに、海外で働いてみたい、海外で生活してみたい、今すぐは無理だけどいつかチャレンジしてみたいと思われている方も増えているのではないでしょうか。

とは言うものの、海外就職となると何から手を付けたら良いのか分からない人もいると思います。

海外就職の手順の解説の前に、実際、日本での就職活動と海外への就職活動とでは、重視するポイント、活動タイミング、手続き等、大きく異なる点があります。

まずは、その異なるポイントを解説していきたいと思います。

 

日本と海外の就職活動の違い

日本はポテンシャル採用、海外は即戦力採用


一番大きな異なるポイントは、日本はポテンシャル、海外は即戦力を重視するという点です。

日本の場合は、その人の人柄、周りと上手くやっていけるような社交性を持っているか、きちんとしたビジネスマナーなどが大前提になります。その上でスキル、経験があるかどうかの判断です。

逆に、スキル、経験がその業務に多少足りないと判断されても、その人であれば期待に応えてくれるはずというポテンシャルで採用されることはよくあります。

海外の場合は、入社して出来るだけ早い段階で即戦力になれるかを見ています。

持っているスキル、経験が会社にどのようにどれだけ貢献できるかがポイントです。

逆に、スキル、経験がその業務に足りてなくて期待で採用されるということは基本ありません。

新卒であろうがシニアであろうが、即戦力になれるスキル、経験がある方が採用されます。

そのように採用する際に重視するポイントが海外は異なるため、大学生のうちからインターンシップに参加し、即戦力になるためのスキル・経験を若いうちから磨いているのです。

 

就職活動のタイミングの違い


日本の場合、新卒の場合は一括採用で一斉に就職活動開始、中途の場合は通年採用もあるが4月、10月入社の求人がメイン。

日本の新卒一括採用は日本特有の慣習です。

就職活動タイミングは一斉開始、見た目も基本無難な服装(黒髪・スーツなど)は海外ではなかなか見かけない光景です。

周りが皆同じ時期に就職活動を開始するため、出遅れた人の中には焦りを感じる人もいるでしょう。

一方、海外の場合、新卒、中途関係なく、通年採用が基本です。

企業側が、欠員補充、事業拡大・新事業(新拠点)立ち上げなどによる増員のために人員募集を都度かける為、通年で採用活動が行われています。

つまり、海外の場合は就職活動のタイミングが決まっておらず、個人個人に委ねられています。

新卒であれば、日本同様に在学中に就職活動をする人もいれば、卒業後にじっくり自分のペースで就職活動をする人もいます。

 

就職活動方法の違い

日本の新卒・中途の就職活動方法は、①就活サイト(マイナビ、リクナビなど)の活用、②就職・転職エージェントの活用、③企業セミナーへの参加、④企業ホームページから直接応募、⑤大学の就職課の活用、⑥OB訪問、⑦コネなどが一般的かと思います。

一方、海外の場合は、もちろん新卒・中途区別なく、最も有効なのが、インターンシップです。(もちろん社会人のインターンシップもあります)

企業側も求職側も、インターンシップ制度を活用することにより、入社前にお互いにミスマッチを減らすことができ、早期離職の防止へともつながります。

企業側からすると、インターン生のスキル、知識の有無、やる気などを確認できる機会になります。

入社後にどれだけ活躍してくれるかを想定するため、インターン中も実際の業務内容を行ってもらうことになります。

実際の業務を行うため、求職者側も入社後に、「実際に想像してた仕事内容とは違う」といったミスマッチも防ぐことができます。

日本でもインターシップ制度は活用されつつありますが、日本の場合は実際の業務内容を行うというよりは、就業体験に重きを置いているため、海外とは大きく異なります。

また、海外の就職活動方法としては、上記④とも関連していますが、仮に企業側が募集していなくても、自分で企業に直接売り込みに行くというのは一般的です。

企業の問い合わせ窓口に、履歴書・職務経歴書(基本英文)を準備し、直接電話・メールなどをして採用面接をしてもらうようお願いするのです。

この手法は、非常に有効な場合があります。

その理由は、ライバルがいないこと、日本人でその手法を取る人が少なくその熱意を買ってもらえること(特に海外の日系企業)です。

私も実際に、過去タイ・ベトナムで現地の日系企業に直接コンタクトを取り、面接までしてもらった経験が何度もあります。

 

雇用制度の違い

日本の雇用制度の特徴は、終身雇用、年功序列、賞与制度などがあります。

「職能型(メンバーシップ型)」と言われ、人を採用してから仕事を割り振り、職務、勤務地、勤務時間が限定されない雇用契約がメイン。

一方、海外(特に欧米)の場合は、「職務型(ジョブ型)」と言われる雇用制度がメイン。給与、インセンティブも年功序列とは無関係に、その成果に応じて支払いがされます。

日本のように入社後に導入研修や教育等がきちんとあって育ててもらえる環境はなく、即戦力として働くことを求められます。その分成果を残せれば、正当に評価してもらえます。

逆に、成果を残せなければ、減給、降格、解雇もあります。ただ、現地企業と比べると、海外の日系企業では解雇は少ないです。

また、米国やドイツなどでは、成果を残す事が目的であるため、日本ではいまだに存在するサービス残業を含む長時間労働をすることは、むしろ仕事が出来ないと考えられることも少なくありません。

有給休暇の取得率も日本と海外では雲泥の差があります。上司、同僚等に気を遣う必要はなく、自分自身の裁量で有給休暇を100%消化するのが一般的です。

 

次に、実際の海外就職活動方法を順を追って説明していきます。

海外就職活動の手順

働きたい国をリサーチ

海外で働きたいなら、働きたい国を徹底的にリサーチする事から始める必要があります。

生活環境、食事、物価、治安、文化、交通の便、国民性、親日感情などあらゆる面で自分に合った生活ができそうかをリサーチする事です。

海外就職先が見つかったとしても、現地食事が食べれず日本食レストランもあまり無い、物価が高過ぎて内定先の年収では生活が非常に厳しい、治安面で不安があり外に出たいがあまり出れないなど、その国自体が合わずに、本意ではなく、辞めて帰国せざるを得なくなっては元も子もありません。

可能であれば、一度現地に旅行ででも赴いてリサーチする方が良いでしょう。海外就職におススメの国は以下記事を参考にして頂ければと思います。

海外就職、海外転職にオススメの国トップ5
本記事では、特に英語があまり得意ではない人向けに、海外就職にオススメの国をその理由とともに紹介しています!

 

海外企業への応募書類を準備

企業への応募、就職・転職エージェントへの登録の際に必要な応募書類を準備しましょう。

海外就職に必要な応募書類とは、以下になります。

応募書類
  • 履歴書(和文)
  • 職務経歴書(和文)
  • 職務経歴書(英文)→ 英文レジュメとも言います。

上記3種類の書類は必ず必要になりますが、それ以外に応募時に必要になる可能性のある書類としては、卒業証明書、前職の在職証明書(転職する場合)があります。

職務経歴書(英文)に関しては、ネット上でもいくらでもフォーマットがある為、書きやすいフォーマットを選んで作成すれば良いです。もしくは、転職エージェントでもフォーマットがある為、それを入手して作成すれば良いです。

職務経歴書は海外就職の際に非常に大事な書類となる為、自分で作成後、必ずプロ(転職エージェント)に添削してもらいましょう。

 

海外企業への応募

企業への応募方法は、①直接企業へ応募するか、②海外にある転職エージェント経由で応募するかの2通りです。

直接企業へ応募する場合、候補の企業ホームページなどを見て募集中であれば、募集要項通りに応募、募集中でなければ、ホームページの問い合わせ先に思い切って電話もしくはメールで問い合わせしてみましょう。

海外の転職エージェント経由で応募する場合、まず各転職エージェントに登録が必要です。登録する為に、上記の応募書類(履歴書、職務経歴書(和文・英文))が必ず必要になります。

登録の際、貴方の経験・スキル・人柄・希望給与/職種/業界などの確認の為、通常1時間程面談が有ります。海外の転職エージェントになる為、もちろんオンラインで可能です。その面談後には、語学チェックもあります。英語+現地語それぞれでチェックがあります。

転職エージェントへの登録が終われば、貴方が希望する求人に応募となるのですが、転職エージェントが貴方がその求人の求めるスキル・経験があるかないかの判断を行います。

その結果、スキル・経験等が不足してると判断されれば、その転職エージェント経由では応募できなくなります。

海外就職、海外転職に強い転職エージェントは、以下を参考にして頂ければと思います。

海外就職、海外転職に強い転職エージェント厳選6社
本記事では、私が実際に海外就職、海外転職で利用させて頂いた転職エージェントの中で、求人数・対応・コンサルタントのクオリティなどから厳選した6社を紹介しています。各社ごとの特徴、私自身利用させて頂いた際の先方対応、どんな人に合っているかなどの特徴をまとめています。

 

面接

直接もしくは転職エージェント経由で応募し、書類選考が通過すれば面接のステップになります。

面接は、多くの企業が一次面接+最終面接というステップですが、たまに、最終面接のみ、もしくは一次面接+二次面接+最終面接になる場合もあります。

面接は、最終面接だけは現地で面と向かってやりたいという企業もあれば、全てオンラインで完結という企業もあります。現在はほとんどのケースで全てオンラインで完結できます。

面接で聞かれる内容ですが、海外の企業は過去を重視するのではなく、未来を重視します。

面接では、貴方が仮に転職回数が多かったとしても、その退職理由を細かく聞くより、それだけ転職して貴方がどのようなスキル・経験を磨きそれをどのように活かしてくれるかを詳しく聞いてきます。

その点はきちんと説明できるようにしておく必要があります。

【転職回数が多い人へ】海外就職では転職回数は重視されない!
転職回数が多くて悩まれてませんか?転職回数9回(日本で7回、海外で2回)経験済みの私が海外就職では転職回数はポジティブに考えられるケースがよくある理由を実体験を基に解説します。転職回数は海外では重視されません。

 

内定

無事内定をもらえた場合、必ず内定通知書を入手するようにしましょう。

その内定通知書には、仕事内容、役職、給料等が記載されているため、後述するビザ取得の際に必要になる国もあります。

また、内定通知を受けてから、通常は1週間を目安にその会社に行くか否かの返事をした方が良いでしょう。

貴方が内定辞退した場合は、その企業は他候補者へ打診する必要が有り、企業側にも事情があるためです。

貴方がどうしてももう少し時間が必要な場合は、それだけ待ってもらえるかを事前に確認しましょう。

 

内定後の手続き(ビザ取得)

内定後の手続きとは、日本国にある各国大使館で現地で働く為のビザ取得手続きです。

海外就職となる為、海外で働く為の【就労ビザ(通称B-Visa)】を取得する必要があります。

この取得に、意外と手間・時間・コストがかかります。

例えば、タイにある日系企業の現地採用の営業職で内定をもらった場合、日本にあるタイ大使館もしくはタイ領事館に行ってビザの申請手続きを行って、その申請が通れば、無事ビザ取得(パスポートに貼られる紙切れ)という流れです。

その申請を行う為の書類は、大半が自分で準備できるような書類なのですが、自分では準備できず内定先の企業に作成してもらう必要のある書類もあります。

例えば、招聘状(Invitation letter)です。しかも原本が必要ですので、内定先企業から国際便で作成した招聘状原本を送ってもらう必要があります。

米国の場合は、就労ビザ申請には書類だけではなく、面接もありますし、ビザ取得がアジア諸国と比べると比較的厳しいのが実情です。

就労ビザ申請に必要な書類は国ごとに異なる為、日本にあるあなたの就労先国の大使館・領事館のホームページに行って事前に必要書類を確認しておきましょう。

 

長くなりましたが、皆さんの海外就職活動が上手くいく事を切に願っています。

海外就職活動全般、海外で働くこと、海外生活などについて、相談事、ご質問等あれば、以下からお気軽に問い合わせ頂ければ、可能な限りお答えします。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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